介護の制度を使おう!

 

ヘルパーによる介護を療養の軸に

自宅で療養することに決めたら、さっそくヘルパーさんの利用を考えていきます。 でも、 「家族の介護じゃないとイヤ」 「他人には遠慮してしまって頼めない」 「他人が家の中にいるのはストレス」 「ちゃんと介護できるかどうか疑問」…という声をよく耳にします。 それは当然かもしれません。でも、少し考え方を変えるだけで、介護制度のメリットを感じることができます。 介護制度を使えば、患者は家族に遠慮なくしたいことができ、家族にとっても休息と自由時間が確保できます。 ヘルパーさんを上手に利用することは、風通しのいい療養環境をつくることでもあるのです。

介護保険を上手に利用

介護保険は一般には65歳以上の高齢者のための制度ですが、ALSなどの特定難病の人は40歳から利用できます。 福祉用具のレンタルやデイサービス、訪問看護、訪問入浴なども含む多様なサービスを受けることができますが、 希少疾患のALS等の人にとっては、疾患の特殊性や個人のニーズに合ったケアプランを立ててもらいたいものです。 この点について、ALS等のニーズに対応できる、経験豊富なケアマネさんは、そう多くはありませんが、、むしろまったく経験のない若いケアマネさんが当事者の言葉をよく聞き、家族の事情にも配慮した素晴らしいプランを作って、各方面に働きかけている事例があります。ケアマネさんに頼ることができれば最高ですが、どうしてもケアプランに満足できない場合は、セルフプラン(自分でケアマネジメントする)も可能です。市町村の担当者を尋ねてみましょう。

短時間の身体介護と長時間の重度訪問介護を組み合わせて

介護保険の訪問介護サービスには、家事等の援助を行う「生活援助」と、身体の介護を行う「身体介護」の2種類があります。 さらに、障害者の介護サービスとして、重度障害者が自立して暮らせるよう、長時間の見守りをベースにした「重度訪問介護」というサービスがあります。 重度訪問介護は、見守り、外出同行、家事、身体介護、言葉が不自由な者のコミュニケーションの介助を行うなど、柔軟で使いやすい長時間の介護サービス。日常生活における困り事すべてに対応できます。ただし、長時間一緒にいることになるので、利用者とヘルパーとの固い信頼関係が不可欠です。さくら会では、重度訪問介護の普及とヘルパー育成、利用者向け自立プログラムなどもおこなっています。