成年後見促進法案に対する意見表明 2021/10/24 更新
「拙速な「成年後見制度の利用の促進に関する法律案」の成立に反対し、
患者の意思の尊重の在り方については慎重な議論を求めます」
ALSのように、重篤なコミュニケーション障害を併せ持つ障害者は、意思があるにもかかわらず、意思を読み取ってもらえない状況に置かれることが少なくなく、
そのため代理人(多くは家族)によって勝手に財産を処分されたり、
意思に反して入院や転居をさせられたり、
生命にかかわる治療が行われなかったりすることがあります。
このような状況を改めるために、私たちは代理人や後見人の利用よりも、
意思の読み取り(コミュニケーション支援)を促進する政策が必要と考え、
長年、国に対して要望してまいりました。
ところが、このたびの「成年後見制度の利用の促進に関する法律案」には、
本人の意思の読み取りに関する事項は盛り込まれておりません。
そればかりでなく、ALS等の重篤なコミュニケーション障害当事者への
説明も聴取もなく、慎重な議論の積み重ねが足りません。
以上により、NPO法人ALS/MNDサポートセンターさくら会は、
本法案は時期尚早と考え、見直しを求め、今期の成立には反対いたします。
平成28年3月28日
NPO法人ALS/MNDサポートセンターさくら会
理事長 橋本 みさお
事務局長 川口 有美子
◆ 声明を発表後、平成28年3月31日に都内で記者会見を行いました。
各新聞社の社説リンク
・毎日新聞「社説 成年後見制度 利用者本位の見直しを」(出典:「毎日新聞(4月8日付)」2016年4月12日 8:00時点)
・琉球新報「<社説>成年後見制度法案 意思決定支援策が最優先だ」
(出典:「琉球新報(4月8日付)」2016年4月12日 8:00時点)
・東京新聞「成年後見促進法が成立 「自己決定権を侵害の恐れ」」
(出典:「東京新聞(4月8日付)」2016年4月12日 8:00時点)
※平成28年5月12日時点。リンク切れにつきましては、ご容赦ください。